はじめに

正直に言う。私の会社の正社員は2名だ。

いわゆる「部下」と呼べる存在はほとんどいない。育成計画も、組織図も、まだ整っていない。 それでも、複数のプロジェクトを同時に回し、クライアントから継続的に信頼をもらっている。

この記事は、「組織論」ではない。人数が少なくても、人と動く設計さえ正しければチームは機能するという話だ。

現在の体制

弊社の正社員は2名。

宇田川は、代表・山本の元同僚で、個人で会社を経営しながら弊社に50%稼働で参画している。「うちでやってみるか」という話から始まった。山本とメインで動いており、私との関わりは現状少ない。

椎屋は、2025年1月に正式採用。元個人事業主で現状はPM領域と防災・公共事業をメインとしている。直近では私と某PRJにて一緒に動き始めている。

それ以外のチームメンバーは、案件ごとに組む外部パートナーエンジニアたちだ。

メンバー選定の判断軸:2層で考える

プロジェクトのチーム編成では、まずアーキテクチャから逆算する。

フロントエンド/バックエンド(React / Next.js / TypeScript)、モバイル(Flutter / Kotlin / Swift)、DB、AWSインフラ。それぞれのポジションに対して、スキルフィットするメンバーを探す。

ただし、レジュメだけでは実態はわからない。「経験あり」と書かれていても、自分で構築したのか、構築済みの環境の上で作業しただけなのかは全く異なる。だから面談での会話で深掘りする。インフラであれば「どのAWSサービスを、自分で設計して構築したか」まで聞く。

これが第1層:アーキテクチャフィット。必要条件だ。

そして第2層:伸びしろと越境意欲。

専門領域以外への興味があるか、多少でも触っているか。ここを必ず確認する。なぜなら、私のプロジェクトでは本人のレジュメが広がることを設計に組み込むからだ。

なぜ同じメンバーが戻ってくるのか

外部パートナーとの関係が継続する理由を自己分析すると、おそらくこうだ。

私のプロジェクトでは、技術的なアウトプット以上のものを体験できる。

クライアントやエンドユーザー、運用を意識した提案・設計の観点で、私は常に牽引し指摘する。クライアントと直接話す機会を意図的に作る。何かあれば私がケツを持つ。チケット管理の仕方、チームコミュニケーションの設計、発注側・受注側それぞれのリスクヘッジの考え方。これらをPMとしての日々の動きの中で、メンバーがリアルに体験できる。

単純に言えば、「報酬」だけでなく「成長」を対価として提供している。

だから「次も一緒にやりたい」という関係が続く。これは意図的な設計の結果だと思っている。

椎屋との協働:場を設計して育てる

椎屋のケースは、「採用=即戦力」ではなく「場を設計して育てる」の具体例だ。

直近開始した某プロジェクトでは、彼の製造業の知見とコンサル力を活かしてもらっている。山本の指導で1年以上かけて培ったドキュメント整理・資料作成の力も発揮している。

同時に、別案件のPMも担当させ始めた。山本とやってきたPRJ、某PRJでの私のPM運営を参考モデルにしながら、自分で回す経験を積む構造だ。

現状は、先読みやクライアント調整などPM的な動きはまだ発展途上だ。山本と私から「ここは先に調整しておかないと」という話も多い。ただ、吸収しながら前向きに動けている。場を与えることで、人は動き出す。そう信じてやっている。

「組織化しない」ではなく「できていない」

正直に書く。

採用活動はしている。ただ、うまくいっていない。

私が求めるのは、山本のように・私のように、クライアントに対してWorklogとしてのコンサル・PMの動きができ、山本と私がクライアントに与えている印象を再現できる人間。

問題は、そのレベルに達している人は、すでに個人で成り立っているということだ。わざわざ弊社に転職する理由がない。

だから現体制は「意図的な選択」ではなく「現実の結果」だ。

ただ、同じ思考・意思を持つメンバーが増えることは、純粋にいいことだと思っている。メンバーをあえて増やさないわけではない。良い人材に出会えれば、迷わず採る。

まとめ:人と動くために自分が意識していること

組織がなくても、チームは作れる。ただし、場の設計が必要だ。

  • ・メンバー選定は「スキルフィット」と「伸びしろ」の2層で見る
  • ・プロジェクトを、メンバーの成長機会として設計する
  • ・技術以外の思考軸(PM・クライアント視点)を体験させる
  • ・ケツは自分が持つ。その安心感がチームを動かす

関わるすべての人との仕事の場が、すでに育成の場になりうる。
これは私個人の話でもあるが、Worklogとしてのミッションでもある。個の力を伸ばし、テクノロジーでアソブ。 関わった人がそう言えるプロジェクトを、これからも作り続けたい。